産後ドゥーラってなに?概要とみんなの体験/各自治体の助成状況

育休アクティブ情報
Pocket

産後ドゥーラ概要

 

ドゥーラは、産後の女性の自宅に来てくれて、とにかくママが身体を休めて安心して赤ちゃんのお世話に専念できる環境づくりをお手伝いしてくださる方です。家事(料理・掃除・洗濯)はもちろん、上の子の相手もしてくれます。

 

また、サポートは産後直後だけではなく、妊娠中やつわりで体調が悪いときや、切迫早産で安静が必要なときも。出産前から産後の生活について、一緒に考えることも大切と考えているそうです。

公式HP https://www.doulajapan.com/howto-doula/

 

ドゥーラとは?

 

「ドゥーラ」の語源は、ギリシャ語で「他の女性を支援する、経験豊かな女性」という意味です。
日本ではまだあまり馴染みがないかもしれませんが、アメリカでは、助産師という職業が一時ひどく衰退した経緯があり、出産前後の女性を支援する専門家「ドゥーラ」がひとつの職業として確立され、多くの方が活躍しているそうです。

 

2012年に設立された一般社団法人ドゥーラ協会は、この産後ドゥーラの日本での事業を行っています。ドゥーラ協会は、「母親も、すくすく育つ世の中に」 をミッションに、「産後ドゥーラ」の養成や認定事業を行っています。

 

近年では、自治体で産後ドゥーラの利用助成を行っているところも増えてきており、産後ドゥーラが少しづつ浸透してきているそうです。

 

どんなママにおすすめ?

 

ドゥーラは以下のようなママにおすすめです。(個人的な意見も入っています)  

  • 全ての産褥期のママ(もちろん妊娠中から)
  • 特に、ママを助けてくれる人が少なそうなとき
  • 特に、産前や産後に不安をもっているとき

 

ドゥーラは妊娠中から産後のママの身体的サポートから、精神的サポートまで幅広く寄り添ってくれる存在です。

 

一昔前であれば、里帰り出産が多かったり、家族や親戚も多く、ママをサポートしてくれる存在が多かったと思います。現代は核家族化が進み、出産年齢の高齢化に伴ったママやパパの両親の高齢化も進み、ママは十分なヘルプを受けられない環境にあります。

 

しかもこのコロナ禍で、ママはさらに孤独となっています。赤ちゃんを抱っこしながら昼食は冷めたおにぎりを食べている、トイレもゆっくり行けない、一日誰とも話していない…そんなママたちが多く、産後ママの心身の不健康は、赤ちゃんや家族にも悪影響を及ぼします。

 

どんなメリットがある?

 

ドゥーラをお願いすると、

  • とにかく、ママの身体が休められて、体力回復ができる
  • 妊娠中〜産後期に、ちょっとしたことでも気軽に相談できる
  • パパも含めた、産後のプラニングを一緒にしてもらえる
  • 家事のサポートはもちろん、おいしくて栄養バランスのとれた食事の用意もしてくれる
  • 新生児のお世話はもちろん、上の子のお世話もしてもらえる

といった、メリットが期待できます。  

 

産後、とにかくママが十分に休めるよう、その必要性をパパに伝えたり、食事や家事のサポートをしてくれます。また、ママに寄り添う精神的なサポートも行い、ママの産褥期の心強いパートナーとなります。

 

ドゥーラの支援プログラム

ドゥーラは妊娠中〜産後の復職前までママに寄り添ってくれる存在として、以下を提供してくれます。

 

【妊娠中】

・妊娠中の相談訳(父親、母親サポート)

・地域への架け橋(医療施設、自治体、支援団体)

・実家の母親のような存在

・経験豊かな女性としての存在(信頼と安心)

・バースプランのお手伝い

・産後プランニング

 

【産後】

・家事サポート(洗濯・掃除・食事作り)

・育児サポート(新生児・上の子のお世話)

・ママサポート(養生の環境・精神的サポート)

 

【復職前】

・家事サポート

・育児サポート

・ママサポート(母乳育児・離乳食、成長・保活、パートナーシップ)

 

いつからドゥーラにお願いするのがいいの?

 

産後ドゥーラご利用のお申し込みは、可能であれば妊娠中に済ませ、産後の生活を事前に考えておくのがおすすめです。周囲のサポートや夫婦のお仕事の状況、上の子のことなど、ご家庭の状況を鑑みながら、産後に必要なサポートを出産前に一緒に考えさせていただきます。(産後プランニング)
また、妊娠中のご利用(つわりの際の上の子のお世話・家事など)も可能なので、希望の産後ドゥーラをお探しの上、個別に相談してみましょう。

 

どうやってドゥーラをお願いするの?

 

ドゥーラは以下から探すことができます。ドゥーラ協会HPのドゥーラさんはもちろん、ドゥーラ協会認定の産後ドゥーラです。キッズライン登録のドゥーラさんも、協会認定ドゥーラであることが多く、安心しておまかせできそうです。

 

・一般社団法人ドゥーラ協会HP

産後ドゥーラをさがす
あなたに合った産後ドゥーラを見つけてください!

 

・キッズライン

産前産後ケアが可能な産後ドゥーラを探す- キッズライン
【キッズライン】キッズラインでは産前・産後のサポートを行う産前産後ケア対応可能サポーターを探せます。出産前後の家事サポートや育児のお手伝いをして赤ちゃんとの新しい生活の手助けをします。妊娠中に体調がすぐれない時や安静が必要な時にもサポートを行います。早朝や夜間の対応も可能です。

 

協会認定ドゥーラって?

 

協会認定ドゥーラとは、ドゥーラ協会が行っている、ドゥーラ養成講座を受講し、試験・面談に合格したあと、訪問研修による「現場研修」を経て、認定を受けたドゥーラさんのこと。

 

養成講座では、心身ともにセンシティブな状態にある産前産後の女性特有のニーズに答え、サポートするための知識・技術を体系的に学習するようです。

 

講師は産前産後のプロである助産師さんをメインに、看護系大学教授や管理栄養士など、産後ケアの制度を作ってきた専門家で構成され、全75時間の実践的な講義が行われるとのこと。

 

講義の内容は「産後ドゥーラのあり方」「妊産婦の心身の変化」「コミュニケーション方法」「乳幼児の保育実習」「産後の食事と調理実習」「救命救急実習」など。

 

ドゥーラの金額相場はどのくらい?ベビーシッターとの違いは?

 

地域にもよると思いますが、だいたい2000円〜3500円/時間で、2時間〜という方が多そうです。

 

単なるベビーシッターとなるともちろんもっとお安い方はたくさんいると思いますが、認定ドゥーラはまずママの心身のサポートが第一。そして家族全体をサポートしてくれる存在。ベビーシッターはそもそも新生児を見てくれる方は少なく、家事などのママのサポートとしてくれる方もあまりいません。

 

ママの心身の健康をサポートするために、妊産婦の精神面や乳幼児の保育、産後の食事など特別な研修を受けた認定ドゥーラなので、多少高いのも納得できると思います。

 

自治体のサポートを受けるには?

 

自治体によっては、ドゥーラ支援事業を行っており、通常よりもお安い値段でお願いができるようです。ただし時間の上限や利用可能期間など、利用条件などが決まっていますので、詳細は各自治体ページまでご確認ください。

 

(下記記載は管理人で調べた限りです。続々と支援事業を行っている自治体は増えているようですので、是非直接自治体にお問い合わせください)

 

●東京都

中野区:800円/時間(松が丘助産院が産後ケア事業を引き受けているようです)

・杉並区:2500円/時間(子育て応援券が使用できます)

港区;1000円/時間(多胎児は500円/時間)

・北区:初回2時間は無料(産前産後に関わらず)、それ以降1,000円/時間(非課税世帯500円/時間)、多胎児加算分は、1,150円/時間(非課税世帯650円/時間)

・江東区:500円/時間

・新宿区:1,500円/時間(非課税世帯750円/時間)

品川区;プランニング:1回限り1,000円、支援サービス2,700円/時間(多胎児は別制度あり)

・文京区;多胎児のみ2,700円/時間を上限に利用料を助成

世田谷区;せたがや子育て利用券が利用可能(対象サービス「ドゥーラ」で検索)

八王子市:2時間 1,000円、3時間 1,500円(産後ドゥーラHP

調布市:助成対象サービス利用料の2分の1(上限4,000円/日)

 

●神奈川県

横浜市:1回2時間以内1,500円

箱根町:プランニング(体験)1,000円/回、支援サービス1,500円/時間

 

●千葉県

千葉市:1回2時間あたり1,680円

市川市:800円/時間(産後ドゥーラHP

 

●栃木県

栃木市:300円/時間

 

 

まずはどうすればいい?

 

自治体の助成があるかどうか調べた後は、自宅に訪問可能なドゥーラさんがいるかどうか、チェックしましょう。

 

産後ドゥーラ協会のHPで調べられます。https://finddoula.net/

気になる方がいらっしゃれば、ドゥーラさんにメールを送り、調整いただけます。

一部のドゥーラさんはキッズラインにも登録しているようなので、キッズラインからもお申込みいただけます。

 

お願いできそうなドゥーラさんが見つかったら、まずはドゥーラさんに一度自宅に来てもらい、お話してみることをおすすめします。そのような産後ドゥーラがサポートに来て、どのようなサポートをしてくれるのか、ご自身で会って話してみてから利用を決めていただいてもOKとのこと。

 

その際に金額がかかるかどうかは、自治体の助成やドゥーラさん次第なことも。(基本的には通常支援サポート料金よりもお安い価格で、初回プランニングと体験が可能です。)まずは上記のドゥーラ協会HPやキッズラインから、要件に合うドゥーラさんに連絡をとってみましょう。

 

最近ドゥーラさんも人気が出てきて予約がいっぱいということもありますので、妊娠中からコンタクトがとれるとより良いですね。

 

産後プランニングとは?

 

ドゥーラ産後の赤ちゃんとの生活にスムーズに移行できるように、妊娠中から、ドゥーラサポートを中心とした産後のプランを立てていきます。

 

初めてドゥーラサポートを利用する方は、産後プランニングで産後ドゥーラと面談してから正式な契約とすることができます。産後プランニングは短時間の体験と合わせて、通常1回2000円ほどで受けてくださるドゥーラさんが多いようです。

 

 

みんなの体験

 

この方は、2人のドゥーラさんにお願いし半分ずつ来てもらっていたようです。産後プランニングの後にお試し2時間ができたようで、お2人のドゥーラさんとお買い物に行ったり、食事を作ってもらったりしたそうです。

 

産後ドゥーラ協会の推薦するご飯は松ケ丘助産院のレシピだそうで、母乳によい、体によい、野菜中心で砂糖と油を使わないレシピになっているとのこと。本当においしそう!

 

この方は、最初の面談で、ついうとうとしてしまうほど安心感のあるドゥーラさんに巡り会えたそう。うとうとしている20分間の間に、簡単な食事を作られ、それが本当に欲していたものでとてもおいしかったとのこと。一人で過ごす昼食がおざなりなものになりがちなところ、ドゥーラさんの作ってくれる食事が大助かりだったそうです。

 

またドゥーラさんは、自分の子どもより少し上のお子さんを持つ方で、お話がとても参考になったと同時に、同じく2人の子育てをする仲間のようでもあり、心強かったとのこと。

 

 

この方は3人めのお子さんだそうですが、ドゥーラを頼んで、夫婦関係が劇的によくなったと語っています。高いですが、本当に価値のある投資だ、とのこと。

 

 

こちらは、アメリカで出産した方の体験記。運良く日本人のドゥーラさんにお願いすることができたそう。この方は、なによりも「おいしい日本食」を作ってくださることがありがたかったと書いています。

 

https://tsukaueigo.com/2016415doula/

 

 

意外と実の母親のヘルプは、ママのストレスになることもありますよね。

 

 

私は第一子の際は里帰り出産をしましたが、結論からいうと実家に頼らずに産後ドゥーラを頼めばよかったと思っています。里帰り出産は親孝行(じいじばあばが孫を堪能できす)というメリットもありますが、想像していたよりデメリットが多かったからです。

 

【里帰り出産のデメリット】

・新生児期の貴重な時間を夫が堪能できない

→里帰り時期が長く夫が赤ちゃんに会えない時間が多くなると、夫の育児参加の良いスタートが切れない気がします。

 

・実母が意外と精神的にきつい

→やはり時代が違うので、よくネットに載っているNGワードをばんばん言いました。おっぱい足りてないんじゃない?とか、授乳していても平気で覗きにくるし。元々関係性は全然悪くなかったので、いけると思ってたのですが、全然だめでした。

 

・実父がいるので、気軽にどこでも授乳できない。

→これ意外ときつかったです。家だったら、リビングでテレビ見ながら授乳とか、なんならご飯たべながら授乳とか好き放題できますが、実家だと毎回別部屋に行かなければならない。しかも真夏や真冬で部屋の温度差があったりすると本当にストレスです。

 

・実母の体力問題

→高齢出産の親はかなり高齢なので、いまさら娘と孫が家に帰ってくると、うれしい反面やはり大変です。うちの母は食事の用意を気を使い本当に疲れていました。

 

 

メリットとデメリットまとめ

個人的にメリットデメリットだと思ったことは以下です。

 

【メリット】

  • 産後のママと新生児のための特別な研修を受けているドゥーラさん

やはりこれが一番のメリットかと思います。家事代行もベビーシッターも、区のファミサポなども頼めますが、ドゥーラさんは本当に専門的な研修を受けている方たち。特に産後ママの情緒不安定な心やぼろぼろの身体に向き合うプロ。食事も産後にぴったりのものを作ってくれます。これからの家族の未来のためにも、素敵な子育てスタートを切れるよう、最適なサポートを行っていただけます。

 

  • 東京では自治体の助成を利用できることも

東京23区では、産後ケア事業などで、産後ドゥーラさんへの助成を行っている区が増えてきています。産後のプロ人材を、良心的な価格で利用できるのは、本当にありがたい制度です。

 

  【デメリット】

  • ドゥーラさんの数が少ない

ドゥーラさんの数は、まだ全国で273人、うち関東で217人と、まだまだ全国的に広がっていない状態。ただ、ドゥーラ協会ではドゥーラの養成に力を入れています。早く全国的に広がり、産後ドゥーラがあたりまえに受けられるようになることを祈っています。

 

  • 値段が高い

ドゥーラさんがプロフェッショナルな職であるので、多少高いのは致し方ない部分だと思います。頼んだ方々は、お金を払っても来てもらえてよかったとおっしゃっているので、自分の体調や家族の体調、金額感と相談しながら、うまく使えると良いですね。また、助成が受けられる自治体が増えてきていますが、こちらもまだまだなので、ドゥーラさんの広がりと共に、助成も広がっていくことを祈っています。

 

まとめ

 

今回は「産後ドゥーラ」について、概要とみんなの体験、私が感じたメリットデメリットなどを紹介しました。

ベビーシッターや家事代行と異なり、産後ドゥーラさんは、約半年の専門講座を受けた産後のママと新生児に向き合うプロです。産後うつの発生が多い産褥期の大切な時期を、きちんとしたプロにサポートしてもらうことは、今後のママと家族の幸せな未来への第一歩だと思います。特に東京23区は自治体で助成している場合も多いので、気になる方はまず自治体に問い合わせを。

みなさんの育休が有意義なものになりますように。

コメント

タイトルとURLをコピーしました